芸術資料館「画学生のまなざし-京都市動物園とのであい」
気がつけば4月も中旬です。
5月まで2週間を切りました。5月といえばそう、ゴールデンウィークです。
皆さん、休暇の予定はもうお決まりですか?
本学の資料館は、歴代の学生が描いた卒業作品を多く所蔵しています。※
今回の展示では、その中から動物を描いた作品にスポットライトを当て、作品が制作された背景を探ります。
※卒業作品の受け入れは、明治27年より始まりました。
この展示、実は資料館だけでの企画ではなく、京都市動物園との連携イベントなのです!
資料館での展示のほか、動物園でも展示や講演会が行われています。
今回は、ゴールデンウィークのお出かけに最適な、京芸・動物園コラボ企画を紹介します!
本企画は、明治元年から150年目となる平成30年記念した明治150年・京都のキセキプロジェクトの一環として行われています。
京都市立芸術大学も京都市動物園も、その始まりは明治時代までさかのぼります。
京芸の前身である京都府画学校は、明治13年(1880)に創立されました。ちなみに校舎は現在の西京区沓掛ではなく、京都御苑の敷地内にありました。
それから23年後の明治36年(1903)、京都市動物園の前身である京都市記念動物園が開園します。
この時、大学は東山へと移転しており、学生たちは身近な場所で生きた動物を観察することができるようになりました。
この動物園の開園は、学生たちの作品に大きな影響を与えます。
それまでの動物画は、代々受け継がれてきた手本をもとに、決まった型の中で表現することが普通でした。
しかし、動物園で実際に動物を観察・写生できるようになると、学生たちはその成果を絵に強く反映させるようになります。
芸術資料館のスター、村上華岳の「羆」(明治40)は、その代表と言えるでしょう。
画面いっぱいに巨大な熊を描くものの、細部を疎かにせず、丁寧に毛並みを描きこんでいます。特に目の周りの毛の描き込みが圧巻!今回の展示でももちろん出陳されているので、ぜひ実際に見ていただきたいです。
ちなみに、熊の足元に描かれた木…実際に動物園でこのような展示がされていたわけではいそうです。「熊のオリにこんな木をいれたら、じゃれつかれてボロボロになります」(by京都市動物園副園長さん。後述の講演会にて)とのこと。確かに!
この構図は華岳のオリジナルなんでしょうね。
稲垣仲静の「豹」(大正6)は、凛々しい豹が3頭描かれた作品です。
当時、動物園ではたしかに豹は飼育されていたようですが、「このように複数の個体を同じケージで飼育することはなかった」(by副園長さん)とのことです。
これも言われてみればそうですよね。喧嘩になっちゃいますからね…
若い画家たちは、写生の成果を存分に作品にぶつけつつも、工夫を凝らして画面をつくっていたことがわかります。
会場では作品と合わせて、動物園で飼育されていた動物を撮影した写真も展示されています。その他、昭和2年に撮影された動物園の映像も必見。白黒の映像ながら、テンポよく様々な動物が紹介されており、当時の動物園の雰囲気がよくわかる貴重な資料です。
また、先に触れたように、京都市動物園にて、本学の芸術資料館館長にして、芸術学研究室の先生である田島先生による講演会も行われました。動物園の副園長さんと一緒に、日本画に描かれた動物についてお話してくださいました。
(この講演会もとてもおもしろかったので、またそのうちレポートを上げます)
講演会は終了しましたが、動物園でもパネルでの展示を行っています。
そして、京都芸大資料館と、動物園ではスタンプラリーを開催中!二箇所を回ってスタンプを集めると、特製ポストカードがもらえます!
GWには、ぜひ京都市立芸術大学芸術資料館、京都市動物園へ!
追記
展示は興味があるけど、京芸付近ってなにもないし、資料館見たら終わりだともったいない…というあなた!
こちらの日誌や
こちらの日誌で京芸付近の文化スポットを紹介しています。国宝の仏像もあります。
展示とあわせてぜひ!
京都市立芸術大学芸術資料館
展示期間:4月11日(水)~5月13日(日)
時間:9:00~17:00
休館日:4月16日(月)、23日(月)、5月7日(月)
ギャラリートーク:5月8日(火)
京都市動物園
展示期間:4月14日(土)~5月13日(日)
時間:9:00~17:00(入園は16時まで)
休園日:毎週月曜日※月曜日が休日の場合、翌火曜日(5月1日は臨時開園日)
しかし、動物園で実際に動物を観察・写生できるようになると、学生たちはその成果を絵に強く反映させるようになります。
芸術資料館のスター、村上華岳の「羆」(明治40)は、その代表と言えるでしょう。
画面いっぱいに巨大な熊を描くものの、細部を疎かにせず、丁寧に毛並みを描きこんでいます。特に目の周りの毛の描き込みが圧巻!今回の展示でももちろん出陳されているので、ぜひ実際に見ていただきたいです。
ちなみに、熊の足元に描かれた木…実際に動物園でこのような展示がされていたわけではいそうです。「熊のオリにこんな木をいれたら、じゃれつかれてボロボロになります」(by京都市動物園副園長さん。後述の講演会にて)とのこと。確かに!
この構図は華岳のオリジナルなんでしょうね。
稲垣仲静の「豹」(大正6)は、凛々しい豹が3頭描かれた作品です。
当時、動物園ではたしかに豹は飼育されていたようですが、「このように複数の個体を同じケージで飼育することはなかった」(by副園長さん)とのことです。
これも言われてみればそうですよね。喧嘩になっちゃいますからね…
若い画家たちは、写生の成果を存分に作品にぶつけつつも、工夫を凝らして画面をつくっていたことがわかります。
会場では作品と合わせて、動物園で飼育されていた動物を撮影した写真も展示されています。その他、昭和2年に撮影された動物園の映像も必見。白黒の映像ながら、テンポよく様々な動物が紹介されており、当時の動物園の雰囲気がよくわかる貴重な資料です。
また、先に触れたように、京都市動物園にて、本学の芸術資料館館長にして、芸術学研究室の先生である田島先生による講演会も行われました。動物園の副園長さんと一緒に、日本画に描かれた動物についてお話してくださいました。
笑顔がたいへん眩しい田島先生のプロフィール画像 |
(この講演会もとてもおもしろかったので、またそのうちレポートを上げます)
講演会は終了しましたが、動物園でもパネルでの展示を行っています。
そして、京都芸大資料館と、動物園ではスタンプラリーを開催中!二箇所を回ってスタンプを集めると、特製ポストカードがもらえます!
販売してたら買っちゃう!というくらい上質なポストカード。これは手に入れるしかない。 |
GWには、ぜひ京都市立芸術大学芸術資料館、京都市動物園へ!
追記
展示は興味があるけど、京芸付近ってなにもないし、資料館見たら終わりだともったいない…というあなた!
こちらの日誌や
こちらの日誌で京芸付近の文化スポットを紹介しています。国宝の仏像もあります。
展示とあわせてぜひ!
京都市立芸術大学芸術資料館
展示期間:4月11日(水)~5月13日(日)
時間:9:00~17:00
休館日:4月16日(月)、23日(月)、5月7日(月)
ギャラリートーク:5月8日(火)
京都市動物園
展示期間:4月14日(土)~5月13日(日)
時間:9:00~17:00(入園は16時まで)
休園日:毎週月曜日※月曜日が休日の場合、翌火曜日(5月1日は臨時開園日)