2016年8月30日火曜日

2016年8月30日

夏の廬山・九江・南昌をたずねて


東洋美術史の竹浪です。お盆明けの8月16日~21日まで廬山とその周辺をめぐってきました。陶淵明、李白、白居易(楽天)などの漢詩に詠われた名山で、1996年には世界遺産に登録されています。北側には雄大な長江が流れ、東には中国最大の湖・鄱陽湖(はようこ)が広がり、山水画のふるさとでもあります(画家の山部泰司先生、岡山県立美術館学芸員の古川文子氏、中国美術研究会で日頃一緒に勉強している同志社大の院生の方々との全8名での旅です)。

1日目(16日)
廬山は江西省にあります。関西からは上海経由で省都の南昌にまず行きます。夜の7時過ぎに着きました。十三日の月が一行を迎えてくれました。南昌は内陸の都市で、現在盛んに再開発が行われています。


2日目(17日)
今回の旅行は江西省中青旅国際旅行社有限公司に、旅程、日本語ガイド、小型バスの手配をお願いしました。ガイド歴4年目という頼梅さん(自称“梅ちゃん”)のチャーミングな案内のもと、朝8時にホテルを出て廬山へ向かいます。2時間ほど高速道路を北上すると、廬山南側の峰々が見えてきました。傾斜がきつく曲線的な山の形がいかにも廬山という感じで期待が高まります。


山中にある「廬山風景名勝区」へは「換乗中心」という駅のような施設で手続きして入ります。カーブを繰り返す坂道を専用バスに揺られること約1時間で着きました。最初の見学地は西南部の黄龍寺(三宝樹)、黄龍潭、烏龍潭です。石段のある山道を歩きます(廬山ではこのあとどの山道を歩いても、石畳の道が続いていました!)。二つともきれいな瀧ですが、これはまだ日本の渓流と変わらない感じですね。
黄龍潭
 烏龍潭

このあとバスで移動して、北側の如琴湖(1961年に作られた人造湖)、花径公園(白楽天草堂が再現されています)そして徒歩で天橋(絶壁に橋のように岩がつき出ている場所)から仙人洞(仙人の呂洞賓が修行した洞穴)へ至る錦綉谷路を1時間半ほどかけて歩きました。谷の深さ(画面右上に小さく人がいます)に驚かされます。汗だくでしたがこれはまだこの旅のほんの序の口でした。
 如琴湖錦綉谷

3日目(18日)
今日も快晴です。廬山は雨の日が多いのですが、今回は全日程天気に恵まれました(その分暑かった!)。午前中は東南部の含鄱口へ。廬山最高峰の漢陽峰(約1474メートル)、鄱陽湖などが見渡せます。
漢陽峰

バスで移動して山内東側の三畳泉へ。まずケーブルカーで峡谷を越え山道に着いたらそこから石段をひたすら下ります。左右は見事な断崖絶壁。谷の向こうにはかすかに見える鄱陽湖…。ひたすら下ること約40分。涼やかな瀧の音が聞こえてきました。三段にわたって岸壁を瀧が流れ落ちる三畳泉です。



近くまでいくと、カメラのレンズに細かな滴が降ってきます。大岩に身を横たえる人、流れに素足を浸す人、しばし暑さを忘れて楽しみました。


帰りは、同じ道を上ります…。瀧のような汗をかきながら、全員完歩。よく頑張りました。廬山名産の緑茶「雲霧茶」でのどを潤して、バスに乗車。廬山の山中をあとにします。行きとは別に北側の道をどんどん下ってゆきます。晴れていたので右手に鄱陽湖が水墨画のようによく見えました!


九江市郊外を経て、今度は鄱陽湖と長江が接する名勝・石鐘山に向かいます。ここでは遊覧船で水上から廬山を眺めることができます。先ほどまでいた廬山が今は水の上。鄱陽湖の水は黄色く、長江の水は赤く、混じり合わないまま流れていきます。水面を燕が気持ちよさそうに飛び交っていました。


石鐘山は宋代の文人・蘇軾も訪れ紀行文を綴った名所です。丘の上には懐蘇亭などの建物があり、夕焼けの眺望を楽しむことができました。


4日目(19日)
今日も快晴です。朝はまず九江市内にある潯陽楼へ上ります。水滸伝の主人公・宋江が詩を詠んだことで知られ、建物は1986年の再建ですが、長江の雄大な眺めにはただただ感動です。


この後、すぐそばにある鎖江楼を見学し、午後は廬山東麓の白鹿洞書院に向かいました。唐代の李渤が書堂を構え白鹿を飼っていたのがもとになり、五代の南唐に国学が置かれ、宋の朱熹によって整備された儒教の聖地です。これは北宋の大儒・周敦頤の像。

白鹿洞書院の近くからは、五老峰とよばれる壮観な山並みも見ることができます。五つの峰が五人の老人が並んで座っているように見えるのでこのように呼ばれているそう。東西南北みる方向によって山容が様々に変化するのも廬山の魅力です。


さらに車を走らせ廬山南麓の秀峰へ。今回の旅行の最大の目的地でもあります。今から約千年前、中国が五代十国という乱世だったころ、ここは南唐の領土で、開先寺というお寺があり、王様が山水画家の董源を派遣して、その様子を描かせたという記録が宋時代の『京口耆旧伝』に出ています。董源は江南山水画、のちの文人画(南宗画)の基礎を作った重要な画家ですので、彼がみた景色を確かめたいというのが目標でした。

まずロープウェイで開先瀑布を見に行きます。歩くよりもゆっくりくらいの速度で、深い谷の上を行くと小さく瀧の音が響いてきます。巨人が断ち切ったのではと思うような垂直の岩壁を一筋の白い瀧がただただ滔々と流れ落ちています。
後ろを振り返れば鄱陽湖の大パノラマ。帰りもロープウェイに乗りましたが、行きの方が怖かった派と、帰りが怖かった派に大きく分かれました。平気な人は…いたのかな?

秀峰から降りてきて、いよいよ董源ゆかりの秀峰寺(開先寺)へ。清代に整備された伽藍も太平天国の戦乱で失われたため、古い建物はほぼ残っていませんが、形のよい山を背景に寺域が広がっていただろうことはうかがえました。


このあと廬山西麓の東林寺へ行きました。東晋の高僧・慧遠が修行し「虎渓三笑」の故事でも知られる名刹です。夕刻ギリギリに何とか入れました。お寺は改修が進んでいて、“新品”の伽藍になっていました。時間がなくて文仏塔までの坂をみんなで猛ダッシュ。またまた汗だくになりましたが、湧き水の「聡明泉」に助けられました。遠ざかる廬山を惜しみつつ夕焼けの中を南昌に戻りました。



5日目(20日)
今日も青空です。初めに南昌出身の清初の画家・八大山人の紀念館に。広大な公園の一角にあるので観光車で移動します。館内では複製もふくめその画業が一覧できました。

昼食後は江西省博物館へ。共産党の近現代史と、自然科学の展示もそれはそれで面白かったのですが、歴史展示は改修中でみられず残念でした。


この後、最後の見学先である滕王閣へ。唐以来、歴代の王朝によって築かれてきた楼閣で、現在のものは1989年に建てられ高さも著しく高層(57.5メートル)になっています。しかし、お年寄り以外はエレベーターNG!40度を超える気温のなか、一層一層登ります…。

途中の階では、歴史人物の紹介コーナーがあり、壁画の中に董源も描かれていました。また、作品の複製も展示されていました。董源は南昌の出身ともいわれており、地元で顕彰されていることが分かったのも収穫でした。



滕王閣からの眺め。南昌を流れる大河・贛江(かんこう)です。大観覧車は2006年の完成当時には世界最大だったそう。

6日目(21日)
6日間の旅行もとうとう最終日。南昌、上海間の国内線も順調に飛び、予定通りに無事帰ってくることができました。今回、廬山、九江、南昌と巡って、沢山の史跡や名勝に触れることができました。
董源は当時都のあった南京から、おそらく長江を上ってやってきたでしょうし、廬山や鄱陽湖も眺めたことでしょう。従来、江南山水画の成立では南京との関係が注目されてきましたが、今回の旅行で江西省の地理景観も大きな影響を与えているのではとの感を強くしました(いずれ論文にしたいと思います)。ガイドの頼さんのお話によると、日本人の観光客はとても少ないそうで、実際旅行中も我々だけでした。日本でもよく知られた名山で、本当にすばらしい所ですので、ぜひもっと多くの人に行ってもらいたいと思います。

2016年8月18日木曜日

2016年8月18日

じゃばらかき氷


夏休み真っ只中。藤山です。
夏休みとはいえども、私はインターンとバイトですっかりやつれ気味ですが…

このままやったら日誌に書くことないやん..
やばいやんか...
こりゃマズいわ...と思い...

開き直って、相変わらずの地元ネタを書くことにしました!!!



皆さんは、“じゃばら”って知っていますか?














↑こんなのです

和歌山県には、日本唯一の飛び地「北山村」があります。(和歌山県なのに、村を囲む市町村はすべて三重県や奈良県)この北山村が原産地の柑橘です!

ちなみに、じゃばらの名前は「邪」を「祓う」ことから名付けられたといわれています。
(じゃばら物語を知りたい人は、ぜひ北山村の観光サイトへ!)

私はこのじゃばらを加工したジュースが大好きで、地元に帰るとよく農協のお店や道の駅に買いに行きます。




















↑これがめちゃめちゃ美味いのです!
他にも色々な種類があります(じゃばらサイダーもおいしいですよ)


今年の夏は、家のかき氷機で氷をガリガリ削ってこいつをかけて食べるというのがマイブーム。
でも、家でつくるかき氷も良いけど、お店のおいしいやつが食べたくなって、
行ってきました!

和歌山県新宮市にある「仲氷店」さん















テレビや雑誌でも紹介されたことがある人気店!
ここは、ちょっと変わったかき氷で有名なんです。

それがこちら↓













“すいか氷”です。
















棒に刺した状態でくれます。見た目のインパクトがすごい!スイカバーだ...
実はこのかき氷、スイカの味はしません!!!イチゴとメロン味です。
好きな味2種類選んで作ってくれますよ~ ちなみに200円です!



そして、お目当てのじゃばらかき氷!



カフェでいただくかき氷と違って、流行りのフワフワな感じではなく、しっかりとした口当たり。
ジャクジャク食感です!
純氷を使っているので、氷に空気が含まれていて固めになるそう。
暑い中なかで食べても溶けにくいです。
そして、いっきに食べても頭がキーンとならない!!!
















シロップは自家製かしら?
じゃばら果汁がたっぷりかかっていて、めちゃくちゃ美味しかったです。ちなみに300円!
その他の味も200円で味わえます。


氷屋さんのかき氷はとにかく安くていいですよね!!

実家の近くにある老舗の氷屋さんも、前を通ると山盛りのかき氷を200円で売ってました。
地元の家族連れや、通りがかりの人も車を横付けして群がっています。

8月も終盤に差しかかりましたが、まだまだかき氷の季節です!
最近は話題のかき氷がたくさんありますが、この夏は慣れ親しんだ味を楽しみたいと思います。

あと、皆さんぜひ、じゃばらを!和歌山といえばみかんですが、じゃばらも良いですよ!
独特な味をぜひ、ご賞味あれ。





2016年8月10日水曜日

2016年8月10日


花火大会

谷岡です。夏真っ盛りですね。暑くてバテバテですが、太陽がキラキラ輝く夏の景色、とっても好きです。
ただいま絶賛夏休み中です!たくさん遊んで満喫したいところですが、8月はバイトバイトバイトバイトバイトバイトバイト・・・という日々を過ごす予定です。はじけるのは9月にとっておこうと思います。ちなみに水族館で働いています。私は深海魚コーナーで勤務することが多く、ぶさ可愛い魚達と毎日一緒です。

そんな働きづめの私ですが、先日息抜きがてら、みなと神戸海上花火大会へ行ってきました。私は地元が神戸なので、だいたい毎年この花火大会を見に行きます。

今年はお気に入りの浴衣が紛失していたため(花火大会後、家の近所のクリーニング店で無事発掘)2番目に好きなこちらの黒の浴衣を着ました。浴衣って1年に1度くらいしか着る機会がないのに、ついつい欲しくなってしまいます。



私は基本的に花より団子タイプなので、花火大会で一番楽しみなのは屋台です。今年もたくさんの食べ物を買いました。
牛串、牛タン、ソーセージ、どてやき、ビール、日本酒・・・チョイスが完璧におっさんなのですが、やっぱり暑いとこういうのが食べたくなりますよね。仕方がない。

どてやき
肉をかじる

お腹が膨れたところで、待ちに待った花火が打ち上げられました!美しかったです。
年を追うごとに、花火の種類や打ち上げ数が増えている気がします。花火は今でも手作業で作られている場合がほとんどらしいですね。職人さんたち、本当に尊敬しております。

iPhoneクオリティなので画質はあまり良くないです




2016年8月8日月曜日

2016年8月8日

瀬戸内芸術祭へ行ってきました。



暑中お見舞い申し上げます。倉澤です。
暑い日が続きますね、熱中症対策していますか?

私は先日、今年何かと熱い瀬戸内芸術祭へ行ってきました。
瀬戸内芸術祭とは瀬戸内海の島々を舞台に三年に一度開催される現代アートの祭典です。

直島 、豊島 、 女木島 、 男木島 、 小豆島 、 大島 、 犬島 、 沙弥島[春のみ] 、 本島[秋のみ] 、 高見島[秋のみ] 、粟島[秋のみ] 、 伊吹島[秋のみ] 、 高松港・宇野港周辺の約12の島で開催されています。
今回私は一泊二日の滞在だったため、当然全島をまわることは不可能。

豊島美術館のある豊島と地中美術館のある直島へ行ってきました。




豊島美術館へ行く道中。
豊島は快晴で、めちゃくちゃ暑かった。。。


この先に豊島美術館があります。
豊島美術館は建築家・西沢立衛とアーティスト・内藤礼による美術館です。

その施設構造は個人的には衝撃でしたが、非常に心地良い空間で何時間でも居たくなってしまう。一緒に行った友達はあまりの気持ちよさに寝ていました。

豊島には美術館の他にも「心臓音のアーカイブ」や「豊島横尾館」等様々な作品がありましたが
私の一番のおすすめは「檸檬ホテル」です。
是非ともカップルで行くことをお勧めします。ほほ檸檬してください。




二日目は直島へ行きました。





この美術館は名前の通り地中に埋まっていました。
クロード・モネ、ジェームズ・タレル、ウォルター・デ・マリアの作品が恒久設置されています。
どの作品もそれぞれの展示部屋自体が作品になっており非常に見ごたえのあるものばかりでした。
中でもジェームズ・タレルの作品は日常では味わうことのできない不思議な感覚を体験することが出来ました。
是非ともおためしあれ。


李禹煥美術館
「正にそぎ落とされた美」の一言。

李禹煥美術館の入口。安藤忠雄の設計です。
直島には安藤忠雄が設計した建築物が数多くあるので、お好きな方必見です。

草間彌生の作品。
赤カボチャもありました。



私は正直なところあまり現代アートが得意ではありません。
しかし瀬戸内芸術祭の作品は空間をしっかり作り込んでいる大掛かりな体験型が多く、
何が起こるのかわからない不安感やあてにならない視覚、非現実感等、ドキドキワクワクして非常に楽しかったです。
ただ、ここでどんな作品だったのかを事細かに説明してしまうとその楽しさは半減してしまうので曖昧な感想にとどめておきます。

是非とも事前情報のない状態で作品を鑑賞していただきたいです。


あ、パスポートを買うとお得ですよ。