2018年10月24日水曜日

2018年10月24日

VS巨大額装絵画

こんにちは!4回生の橋本です。
涼しくなって秋の気配が云々とニュースではよく聞きますが、ここ沓掛ではすでにダウンジャケットを着用したりマフラーを身につけている人もいます。下界とこことでは気候帯が違うとでも言うのでしょうか?すでに冬なのでは?という冷え込みです。

今回は、今週末から始まる京都芸術大学芸術資料館で開催の「遷る学舎展 画学校から芸大まで」の搬入作業の様子を紹介します。実はここ、京都市立芸術大学は何度か移転を繰り返しているのですが、その変遷を作品とともにたどる展示となるようです。日誌の順番が回ってきて、例のごとく「ネタがないです」と私が不満を漏らすと、この展示の搬入作業を取材することを提案されました。そういえば本来芸研日誌は総芸の普段の様子を紹介するものだった……!と初心に立ち返り、田島先生と院生の方が関わる展示の搬出作業の取材、もとい手伝いに向かいました。

芸大は今まさに作品が生まれるという場所ですが、同時にかつての学生、この大学にゆかりのある作家の作品を保存する場所でもあります。長い歴史の中で、その作品数は膨大になっており、たびたび博物館実習で保存室に入るのですが、物の多さに圧倒されてしまいます。今回はその中でもかなり大きな作品を展示するらしく、そのための人員を集めていたようです。

右を見ても左を見ても作品です


一体いつのものなんだ…?


ご覧の通りの有様です。隙間があれば作品が置いてあります。ちなみにまだ増えることがありえるとか……。この中から巨大な作品を取り出してきました。

5人がかりで引っ張り出します
大きすぎて台車にも載せられず、全員でなんとかエレベーターに積み込みました。

田島先生が潰れてしまいそうです
なんとか地上の展示室まで持って上がりましたが、ここからが本番です。箱から出して展示ケースに入れ、上から吊りあげる必要があります。


この大きさ!でも現代の金属の額縁よりは
ましな重さだそうです
博物館に展示してある額の絵画は、どれもまっすぐ平行に綺麗に展示してありますよね。もちろんここでもその通りに展示します。ですが、ほんの数センチ、数ミリの傾きがその絵の見え方を左右してしまいます。なので水平に絵が持ち上がるまで延々この作業が続きます。


右に上がっています。やり直し!



なんとかこの作業は終わりましたが、聞くところによると、さらに掛け軸が9本と額が1つなどまだまだ作業はてんこ盛りのようです。大変な作業ですが、実際の作品をとても近くで見られる、というか作品によっては実際に触ることができてしまう貴重な体験です。芸大の博物館実習ではこのような作業も本物の作品を使い、実際の展示室で行うことができます。学芸員を目指す方には非常に有意義な体験です。
展示は今週の土曜日からです。展示作業だけでなく、作品の選択、リーフレットなど全てを学生、先生が一丸となって準備した展示となっているので、ぜひ見に来てくださいね!