2017年11月1日水曜日

2017年11月1日

口紅ちゃん



こんにちは。2回生の松浪です。

京都国立近代美術館で本日から「岡本神草の時代」展が開催されています。
昨日、田島先生と共に内覧会へ行かせていただきました。


岡本神草は、その生涯の短さなどもあり作品数が少ない作家です。本展覧会は多くのスケッチや草稿、また彼と親交の深かった作家たちの作品を交えながら、彼の作家人生を網羅しています。
未完のものや何度も繰り返された草稿などを見ていると、彼の作品へのこだわりを感じます。そして未完のものも多いからこそ、完成した作品の魅力に驚かされました。お願いだから他の作品も最後まで描いておいてくれよ!と思わず叫びたくなるほどに。

岡本神草(1894-1933
「岡本神草の時代」会場風景
(内覧会では撮影が可能)
《口紅》(1918年
彼の代表作《口紅》1918年は、本学の全身である京都市立絵画専門学校に通っていた神草が卒業制作として描いたもので、当時から高い評価を受け続ける名品です。
「図版で見るより圧倒的に実物がいい。」
日本美術を見ているとよくそういう思いに駆られますが、これももちろん例外ではありませんでした。図版ではわからない盛り上げ彩色を始め、実際に目にすると彩色も表情もぐっと魅力を増します。レビューじゃないのでざっくり書きますけど、そのあまりの美しさに胸を打たれました。

さて、フライヤーや看板などに大きく取り上げられ、本展覧会の目玉となっているこの《口紅》、現在は本学芸術資料館の所蔵です。
そして、我々web班のスーパーバイザー 田島先生は芸術資料館館長。
ご招待いただき田島先生は内覧会へ赴くことに決まったのですが、
しかしただ行くのでは面白くない……どうしたものか……。

「そうだ、あの子を連れて行こう!」


田島先生と口紅ちゃん
《口紅》をモチーフに制作されたキャラクター、その名も「口紅ちゃん」!

2010年、京都市立芸術大学創立130周年のときに、それを盛り上げようと学生の手により生み出された彼女ですが、それ以来7年間、田島先生の研究室で長い眠りについていたそう。
しかし今回は岡本神草の回顧展!いま起きなくていつ起きるんだ!

というわけで、京都国立近代美術館に、
「口紅ちゃんを連れて行ってもいいでしょうか」
と問い合わせてみたところ、快諾していただき昨日に至ります。
しかもなんと、「せっかくだから」と田島先生と口紅ちゃん、
あれよあれよという間に前に立っていて、
レセプションパーティーで乾杯のご挨拶まで!
たくさんの方と写真も撮らせていただき、そこそこ評判もよかったようです。
口紅ちゃん、お疲れさま!

京都国立近代美術館のみなさん、
温かい対応を本当にありがとうございました。